サッカー・フットサル経験者なら一度はフットサルコートを作って経営したい・・と考えたことがあるのではないでしょう?
現在ではフットサルコートビジネスも注目されるようになり、実際に初期費用はいくらかかるのか?月にどれほどの経費がかかるのか?と具体的に知りたい方もいらっしゃると思います。
そこでこのページでは、フットサルコート運営歴13年(店長・マネージャー経験)の私がリアルに発生していたランニングコスト(月々の経費)についてご紹介致します。
ページを最後までご覧いただく事で、フットサルコートを出店したい方はより具体的に利益の予測を立てるのに役立てられます。
ご自身が計画した売上に対して、当ページを参考に支出を計上するとおおまかに利益の想定が出てくると思いますので、利益が想定より低いなどの計算になれば、出店する立地を替えたり、売上をさらに伸ばす戦略を考えるきっかけになると思います。
それでは詳しく見ていきましょう。
ランニングコストは運営方式で大きく変動します。
フットサルコート運営のランニングコストは営業時間やコートがどれほど稼働しているか、
また、自社スタッフが運営するプログラムにより大きく変動します。
その為一概にランニングコストを算出してもイメージがわかない可能性があるので、
今回は下記のように前提条件を付けてみました。
フットサルコート運営で発生する月々の費用を算出する前提条件
●東京都内のフットサルコート1面・自社コートで自社サッカースクールを運営。
●個人参加フットサルなども自社スタッフが運営。
●スタッフの人数は4名(スクールコーチングスタッフ含む)
●営業時間が9時~23時
●コート稼働は土日はフルで稼働、平日は午前中にフットサルクリニック1本(2時間)、
●15時〜19時でサッカースクール、それ以降は個人参加フットサルを開催。
●フットサル大会は月に1度開催。
実際に発生していた月々のランニングコストの一覧
費用項目 | 金額 | 備考欄 |
家賃 | 合計相場30万 | 相場感で左記に記載していますが、 筆者の運営施設は50万でした。 |
光熱費 | 合計8万円 | |
電気代(コート照明含む) | →7万円 | コート照明が水銀灯かLEDかで変わります。 左記の費用は水銀灯です。 |
ガス代(シャワールームあり) | →1万円 | |
水道費 | 合計3万円 | |
通信費 | 合計5万7千円 | |
インターネット・固定電話 | →15,000円 | |
コート予約管理システム | →20,000円 | |
銀行口座引き落とし サービス手数料 | →2,000円 | |
カラー複写機リース料 | →10,000円 | あまり印刷がない場合は複合機ではなく 自宅で使用するプリンターに代用可能 |
複合機カウント料金 | →10,000円 | |
備品購入費 | 合計2万8千円 | |
事務用品(印刷紙など) | 5,000円 | |
トイレットペーパー・ティッシュ | 5,000円 | 毎日交換が必要です。 |
シャンプー・ボディーソープ | 3,000円 | 盗難もあるので、 ボトルにはコート名などを記載しましょう。 |
ごみ袋(市指定) | 15,000円 | フットサルコートは、 1日で大量のゴミが出ますので費用がかさみます。 |
仕入れ | 合計6万5千円 | |
スクールユニフォーム※ | 50,000円 | 左記は平均値です。入会数により変動します。 |
店頭販売飲食物 (ドリンク等) | 5,000円 | |
フットサル大会景品代 | 10,000円 | おおよそ1大会1万円程度 かけることが相場感です。 |
広告宣伝費 | 合計3万1千円 | |
ポータルサイト掲載費 | 5,000円 | |
HP管理費・サーバー費用 | 15,000円 | |
サッカースクールマッチングサイト | 6,000円 | |
ライン | 5,000円 | |
人件費 | 合計89万円 | |
アルバイト代×1名 1日8時間 週4日 時給1100円 | 140,000円 | |
メインスタッフ (業務委託3名) 250,000×3名 | 750,000円 | サッカースクールの指導と フットサルコート運営を兼務。 |
その他 | 合計5万2千円 | |
交通費(コート外でのイベント時) | 10,000円 | |
マット(玄関・トイレ前)・モップ交換 | 5,000円 | |
振込手数料 | 2,000円 | |
郵送費 | 5,000円 | |
その他 | 30,000円 | |
合計費用(月) | 1,533,000円 |
フットサルコート運営に必要な月々の費用は100万を超える!
フットサルコート運営に一番大きな費用は家賃と人件費です。
家賃は変えられませんが、人件費の部分は自社でサッカースクールを運営するのか?
それとも他スクールに委託するのかで大きく変わります。
今回の計算ではスクールを教える指導者の人件費を計上していますが、
もしスクールも個人参加フットサルも他社に委託する場合、コート管理だけであれば店長とアルバイトで回すことも可能です。そのため、人件費も大幅に削減することが出来ます。
また経営者自らが現場に入る事で人件費を削減することも可能です。
数年後に必ず来る、フットサルコートの芝張り替えに注意!
フットサルコートで人工芝の場合、稼働率が高いコートでは3年あたりで顕著に芝の劣化が目立つようになります。減少としては、ロングパイルの人工芝は切れて、コートで切れた芝を集められる位になります。
また、ロングパイルの人工芝の場合ゴムチップを入れている場合もあります。
ゴムチップはトイレや更衣室、観覧席など様々な場所に持ち込んでしまうため、清掃の負担が大幅にアップします。
フットサルコート運営では収益を出すためにぎりぎりの人数で運営することも珍しくありませんので、清掃の負担というのは実は肉体的な負担も大きく、可能性として人員を増やす事にも繋がってくる可能性もあります。
ショートパイルの人工芝は一番厄介で、芝が短く切れる為、衣類などにも刺さって取れなくなります。静電気で衣類に付く、床に張り付くなど清掃業務がとても大変です。
お客様からクレームを受けることも多々あり、芝生の交換は待ったなしです。
立ち止まって冷静に!リース契約が重くのしかかる。
カラー複合機を導入した方は分かると思いますが、基本的には5年間の契約縛りがあったり、筆者の実体験としてはコート内の照明もリース契約で5年後にある一定の金額を出せば自社所有となる契約でした。
営業をずっと続けられれば問題ないのかもしれませんが、もしコートをたたまなければ行けなくなる時にはリース契約の残高の処理が非常に大変になります。
筆者は営業を継続できたので問題ありませんでしたが、やはり長い年月の縛りは怖いです。
本当に必要なのか、他に代替案が無いのか冷静に考えなければいけないとその際に強く感じました。
フットサルコートでよくある備品や器機の故障
ランニングで発生する費用ではありませんが、フットサルコート運営では思ってもみない物が壊れたりと、急に修理に費用が発生する事があります。それでは詳しく見てみましょう。
防球ネット
防球ネットはコートを囲むように貼られているネットの事です。長く運営していると防球ネットに穴が開いたり、ワイヤーとの接合部がちぎれたりと何かと修理が必要になります。
特に大きな穴が空いた場合、そこからボールが飛び出て人や車などにぶつかったりしたら大事です。
穴が空く理由としてはお客様が防球ネットによしかかったり、ライン際でスピードを出しすぎて防球ネットにぶつかったりする時に、ネットに負荷がかかり、ワイヤーとの接合部からちぎれていくといった現象を見ます。
規模にもよりますが修理代も数万から数十万しますので、日常的にはお客様には防球ネットによりかからないように注意したいですね。
実際に筆者が運営するフットサルコートの防球ネットを1面新しくしようとした際の見積もりは100万円を越えました。
ゴールポストカバー
ポストにぶつかった際にクッションになってくれるポストカバー。ポストカバーは長年放置していくと、重さでどんどんポストの下にカバーがずれ落ちて行きます。
カバーとポストをくくる接合部も重みでちぎれたりすることもあります。
ちゃんとしたポストカバーも購入すると10万円は見た方が良いほど高い物であるので、
ずれ下がったら元の位置に戻すなど定期的にメンテナンスが必要です。
フットサルボール・ビブス
毎日レンタルコートでボールやビブスを貸し出します。
貸し出す頻度にもよりますがフットサルボールの安物は直ぐにパンクするか、ボールの周りが剥がれてきます。ビブスは破れる事もありますが、臭いが残ってしまう事もあります。
素材が薄いものと厚い物がありますが一長一短で、厚い物は丈夫ではありますが、臭い残りや夏場は非常に厚いというデメリットもあります。
スポーツ備品に関しては安く仕入れられるメーカーや販売店などと協力関係が出来ると助かりますね。
レンタルシューズ
レンタルシューズを貸し出すと、かかとを踏まれて返ってきたり、靴ひもがほどけていないまま脱がれていたり、と靴が痛みやすい状態で返却されることが多々あります。
また、お手入れをしていないと臭いが取れなくなりお客様からクレームが入る場合もあります。
余計な費用をかけない為にも返却されたら、靴ひもをしっかりとほどく、消臭スプレーで消臭する、適度に天日干しするなど日頃のケアを欠かさないでください。
まとめ
フットサルコートのランニング費用は月々で大きな変動はありません。
ただし、今回紹介したように設備が壊れたり、リニューアルする際には大きな金額が動きます。
そのためには日頃のメンテナンスも必要となってきます。
お客様に快適にそして安全にフットサルを楽しんで頂く為には必要な事です。
売上を伸ばすための戦略も大切ですが、費用をどれほど押させることが出来るか・・・
いつか来る芝の張り替えや設備のリニューアルの為にも日常的に節約をしましょう!
フットサルコートを出店する際の初期費用に関してもご紹介していますので是非下記の記事も合わせてお読みください。
コメント